DJWarpの音楽の旅

テクノ中心にDJ,DTM,プラグインなど音楽のアウトプット

DJの音量コントロール術

テクノォ!!!テクノ聴いてる?

 

最近は技術の進歩によりお手軽に曲をミッスクをすることが可能になりました。

DJをする上で大切なことは選曲であったりミックステクニックであったりエフェクトやリミックスデッキでのアレンジであったり・・とジャンルやスタイルによって様々な切り口があります。

当然選曲やミックスも大切ですが、DJのテクニックの中で最も重要なテクニックの一つでありながら何故か注目されにくい「音量のコントロール」が今日のテーマです。

 

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音量のコントロール

音量のコントロールとは読んでそのまま、曲の音量をコントロールすることですが、一体なぜ音量のコントロールが大切なのでしょうか?

 

①ミックスして音が小さくなったら残念

DJがミックスを繰り返して段々と盛り上がってきて、これから盛り上がるぞ!って時に次の曲の音が小さくなって聞こえたら残念過ぎます。盛り上がりに欠けてしまったり曲が本来の良さを発揮できないこともあります。

曲によって聴感上の音量差がありますので、音が小さいトラックをミックスする時はGain(Trim)を上げて音量の差が少なくなる様にしなければなりません。ミックスされて曲が切り替わった時に明らかに音が小さくなるとノリが崩れてしまうのです。

音量が小さい曲は持ち上げて、音量が大きすぎる曲は抑えて一定のレベルを保てる様にプレイする必要があります。

四つ打ちのDJは縦フェーダーをマックスにしてプレイすることが多いので、音量のコントロールはGain(Trim)のツマミでコントロールしましょう。

特に前もって曲のレベルの違いや音の聞こえ方を把握しておかないとDJが気がつかない間に音量レベルの差がでてしまう事があります。

 

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②音量はデカければ良いってワケでもない

音が小さくなると残念に聞こえてしまうので残念なDJは音量を上げてしまいがちです。

クラブでDJが段々音を大きくし過ぎてしまってミキサーのピークメーターが真っ赤っかで音が割れてフロアの音が最悪の状況に・・なんて場面もたまに見ます。

いい音でプレイをするには適切なレベルでプレイすることが大切です。

また、わざと音量を下げることでプレイに抑揚をつけたり、一旦サゲて徐々に展開と共に上げていくこともできます。それに例えばラウンジでマッタリとした曲をプレイするのに音量がデカければいいってワケでもありません。状況や展開によって音量を意識的にコントロールすることで耳障りの良いプレイをする事に繋がります。

フロアに実際に立って心地よい音のバランスを見極めて無駄に音を出し過ぎない様にしましょう。特に高音が耳につくと長居できないフロアになってしまうので自分のプレイする曲の特性を考えて音量やEQのコントロールを行いながらプレイすると長時間聴いていても疲れなくて気持ちのいいセットになります。

③EQによるコントロールでカバー

現在ではアーティストがマスタリングまですることが多くなりました。 アーティストの感覚や方向性、使用機材などによりマスタリングの出来栄えが全然違います。

少しでも音を大きく聞かせるためにリミッターでパンパンにしたいわゆる海苔波形を目指すアーティストもいますし、ダイナミクスを大切にして曲の中の小さい音の部分は小さく良い音で聞こえる様に音圧を上げ過ぎない方向を目指すアーティストもいますし、クラブで鬼の様な低音を出すために低音部分を思い切り持ち上げているアーティストもいます。

アーティストの意向を汲み取ってそのままプレイするのも悪くはありませんが、曲が変わる度に大きな差があると踊りにくいのは事実です。ダンスミュージックではDJが個性を発揮し自分の世界観を作り出すことができますので、曲によっては前後の繋がりを加味してEQで低音を足して上げたり、高音を削ったりして積極的に調整を行うのもアリです。自分の目指す気持ちのいい音でのプレイをすることで全体が締まって統一感のあるプレイになります。

また例えばミニマルテクノの様な展開や音量が平坦な抑揚の少ないトラックではプレイ中に EQで細かく抑揚をつけるとうねりの様なグルーヴを生み出すことができます。

EQも奥が深いのでいつか語りたいところではありますが、今回は軽く・・。

ちなみに海苔波形のトラックはこんな感じ↓

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音量をコントロールしてミックスをレベルアップ

この様に音量を自分の狙った通りにコントロールすることで、ミックスに一貫性や抑揚が生まれていくのです。

クラブなどで爆音の中でプレイする時にモニターの環境によっては音量差が分かりにくいことがあります。大きな音でモニターしすぎると耳が麻痺してしまうことがあるので、特にヘッドホンの音はあまり大きくしすぎない様にする事をオススメします。

耳が麻痺すると適切な音量のコントロールができなくなってしまいます。

ミキサーのピークメーターなども目安にしながら視覚的にも音量を捉えながらDJをすると安定感が増すこと間違いなし!

また、クラブで大きな音で鳴らすと顕著に違いがわかるのが低音部分の差です。

家やイヤホンなどの小さな音で聴いた時は普通のキック(バスドラム)に聞こえたのにクラブで鳴らすと低音がスカスカでミックスすると低音の貧弱さ加減が際立つトラックもあります。(特に自分で作ったトラックをクラブで流した時にそうなったら激しく落ち込みます。。)

事前にある程度低音の出るモニタースピーカーやモニターヘッドホンで曲ごとの低音の量や質感を把握しておきましょう。

低音がズッシリ入ったトラックから低音がスカスカのトラックに変わるとガッカリしちゃいます。

上手いDJは音量を適切にコントロールしてプレイしています。

DJをやる際にはEQの使い方だけではなく音量の差にも気をつけてミックスすると違和感なくスムーズに次の曲にバトンタッチができます。

 

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私が使う小技(?)

あまり大きな声では言えない技(?)なのですが、私が時々ゲストとかで呼ばれた時にやる小技を紹介します。

まずDJを交代する時に前のDJがプレイしている曲をゆっくりとわからない様に音を下げてEQも少しだけ絞っていきます。そして自分の一発目の曲を元の音量でドカンと鳴らすとフロアでは音が大きくなった様に聴こえて「おっ!?DJが変わったら音が変わった?」と第一印象が良くなる様にしています(ズルいやり方なので良い子はマネしない様に)。

 

というわけで、DJは選曲や展開、ピッチ合わせにイコライジングにミックスにエフェクトやサンプラーでのアレンジや音量のコントロール、フロアの空気を読んでの判断・・など沢山の事を同時にこなしています。

先の展開を読みつつ目の前の事には繊細に対応していく力!これぞ社会人に必要なスキルの一つですね。DJは楽しいだけでは無く、仕事にも役立つ思考スキルやコミュニケーション能力が得られるかもしれませんので社会人の趣味としても最高におすすめです。

 

さぁ!クラブに行ってDJの音量のコントロールにも注目してテクノを楽しもう♪